― day#2 御渡神社・参拝道起点 ―>>2:335>>2:338,>>2:346
[ 古くから信仰を集めるお宮の多くがそうであるように、御渡神社の境内に入るより前にも、参拝者は幾つかの鳥居をくぐることになる。そこまでやって来て、]
ちょっと待って、先生。
車、止めてっ。
[ 神社の杜へと続く参拝道の起点、少し道幅の広い交差点に石製の大鳥居が建っている。このまま道なりに車を走らせれば、数分もせず神社の駐車場に辿り着ける地点。]
道路に、ひび割れ……?
周りの家や植え込みなんかも。凍ったり焦げたりしてるわ。
[ あちこちに損壊の様子が見られた。吹雪と落雷、突風が一挙に襲ったような痕跡。路面にはある箇所を中心に亀裂が走っている。凍結していたようだけれど、急速に溶け始めていた。]
誰かが戦闘していた後のようね……。
でも、誰の死体も見当たらない。
[ 車を降り、植え込みの向こうを覗き込んで呟く。
確かにそうだった――「死体」は、誰のものも。]
(33) 2016/06/20(Mon) 04時半頃