個室の扉がまた二つ、消えていたのには気付いていて。誰の部屋だったのかは、直ぐに分かった。]知らねぇつうの。無礼講の意味分かってんのかよ。[誰に宛てる訳でもなく。気付けば赤い獣はとうに失せていて、見上げた視界には、一面の花霞。ふ、とひとつ息を吐き、両手を構えた。片目を瞑って、狙いを定める。3。2。1。]お幸せに──幸せついでに、記憶を失えぃっ[発射。ちょうど頭に水の噴射を受けた黄色いアヒルは、ちゃぷんと湯の中に沈んで。直ぐに再浮上したそれに、一人声をあげて笑った。]*
(32) 2014/03/26(Wed) 23時半頃