ー当船はこれより衛星“Bai-U”へ寄港…
寄港直前で人気の少ないカフェ内。ぼんやりコーヒーを飲んでいたら館内放送が流れる。
手が無意識にテーブルをの下を操作し、コーヒー入りのチューブをカップホルダーに固定、椅子の座面を探って腰を椅子に固定、とやっているとふわりと体が浮く感覚。
飛び回るモナリザと乗客たちを少し離れたところから眺めながら、残りのコーヒーを吸い上げた。
半分眠たい頭は、勝手に昨日の光景を再生する。
ー公園にてー
シルバーとか白系以外なら…。
[控えめに告げる彼女の風貌は一言で言うなれば「白兎」
角度によっては透けるような、銀とも白とも見える髪を2つに結わえ、白い肌に瞳だけが林檎飴の様な赤だった。
多分どんな色を塗っても映えるとは思う。
でもその時の私は、彼女の持つ白を生かしたかった。
桜の花びらを溶かしたような、ミルキーピンクを選び、載せてゆく。
自然にも華やかにも見える出来栄えに楽しくなり、指を一本選んで、銀のラメで大輪に花開く芍薬を描いた。
次に寄港するBai-Uに咲いているものと、同じ花を]
(32) 2018/06/13(Wed) 20時頃