[彼にとっての己の言葉と同じだ。
沈黙と、平坦。あの時の間>>2:210が何を意味するのかは分からないままだが、彼>>2:211が続けた言葉はひどく無難で、当たり障りのないもの。
隣人として当然のことだ。
己が求める心地よい冷たさだ。
特別はいらない。それは一方的に与えるだけのものだ。
干渉も介入もしない。渇望が胸の内を満たしても、叶わない。未完の恒久を喰らう日々を繰り返すことこそ、たまらない幸福なのだ。
――それなのに。
ふとした瞬間、気泡>>1:80が弾け、皮膜を乱していく。
数年かけて作り上げた遠い距離も、何の温度も灯さないお互いの声も、変化の乏しい表情も。
視線が先に逸れた>>1:244あの時のように、不変が違うこともあると知ってしまってから、時折どうしようもなく壊したくなることがある。
彼は、人間だ。]
(32) Pumpkin 2021/02/20(Sat) 01時半頃