[ やがて相手が選んだものを硝子に注ぎ、机上に置いて。
手土産の一つをつままれれ、こちらへ示される>>23のには目を丸める。
相手の顔とそこを一間見比べて、――その手を取っては菓子を口に含み、飲み込んだ。
……手は離さないままに柔く首を傾げ、確かめるように相手の目を見据えながら。口角はいつも通りに緩く上げていれば、相手の揶揄いめいた仕草に。]
……先輩は。俺をどう見てるの?
単なる後輩? 年下の友達? ――“飼われ”に来たなら、今は主人?
――…少なくとも俺は、単なる年上として先輩の事を見てないよ。
[ 尋ねかけたのには意図的に、以前冗談混じりに問われた単語は外して。
――声には表情ほどの余裕も持てず、不格好に掠れていれば、嘲笑じみた笑いは内心に零しながら。
暫くしてキッチンの場所を尋ねられたなら、立ち上がって位置を示した。自由に使ってもらっていいから、とビニールと冷蔵室を指す。
自ら手は出さないよう努め、邪魔にならない程度にそこに立つ姿を眺めていただろう。先輩料理得意なの、とは投げかけつつ。**]
(31) 2014/10/07(Tue) 07時頃