人狼議事

30 ─今夜、薔薇の木の下で。


【人】 掃除夫 ラルフ

─ 寮 自室 ─

[薄明かりに吸いよせられ、焦げ死んだ羽虫の黒くちいさな屍をみるともなく眺める。
 灯りを最低限まで落とした室内は暗く、濃藍の髪は闇の色に似る。本人が呟いたとおり、たしかにかれ──ラルフ・アイヒベルガーの前髪は伸びすぎているようだった。髪の先が目にはいるのは、寝台に寝転ぶでも座るでもない、中途半端な体勢でうつむき、身体を傾けている所為だ。]


……気怠い。
だるくて、痛ィ

[去年急激に背がのびたばかりのラルフの身体は骨張っていて、今もまだ成長期特有の鈍痛が関節のあたりに留まっているような心地がする。

 去年までのラルフは中等部の生徒と間違えられるほど、小柄だった。先に背と肉がついた運動部の友人たちのしっかりとした身体に比べれば、蒼白く、不格好なそれ。けれども身体というものは重力をもち──例えばそう、今、下敷きになったまま不自然な角度に曲げられて(ゆび先だけで怠惰にページを捲ることにしている)かれの腕は、しびれて感覚がない。]

(31) 2010/09/01(Wed) 13時頃

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