……そう。ホリーが。
[リタイアの旨を知らされても、そう驚きはしなかった。
「手加減>>4:106するんじゃなかったの?」なんて、軽口くらいもたたけるくらい。
……ベネットと一緒に廻っていたはずの彼女の顔も、もう、ありありと思い出せる。
誰かいたような、なんて、不確かな思いには、至らない]
ディーン。ヤニクは?
[この時も、そう。答えが返ってこなくても、なんとなく、察することはできたと思う。
子猫の事情>>4:93は、きっと後から知ったこと。
けれど、その時にはもう、狭い視界の中で勝手に築いた固定観念に従い、間違った方向へと歩みを進め始めていた>>4:87。
受験勉強のみに焦点を絞って、全てを捧げて。
迷う必要のない手近な目標だけを、見据えていたはず、だった。
距離を置いていく彼には目をつぶって。
いつか、再会の時>>0:110が訪れるかどうかなんてことさえも、一切思考を止めたまま]
(30) 2011/08/31(Wed) 14時半頃