― 保健室 ―
[保健室の扉は閉まっていた。
しかし、本日当直予定だった生物教師は、あわてず騒がず某青狸――あれ?猫だっけ?のごとく、ポケットからスペアキーを取り出し開けた。
校庭で家庭科教師に鍵を渡さなかったのは、例えば調理室みたいに持っていないキーもあったからで……。いや、当直室の鍵は持っていたんだけど、当直室の鍵って場所までちゃんとあの時聞いていたっけ?――ちょっと記憶が曖昧なので、まぁ、そういうことである]
足首だっけ?
とりあえず、湿布貼って包帯で固定しとこうか。
[保健室の扉は、そのまま閉めずに開けっ放しにしたのは、万が一にやましいこともないのに疑われても困るから。自己防衛大事。
己の安全を確保してから、グロリアを椅子に座らせ足の治療に取り掛かる。
足が痛いと言い張っていたが、実際は例えば捻挫していたとしても軽度のものだろう。そのまま大人しく治療を受けるなら良し。必要ないと言われたら、やれやれと肩を竦めて流石に遠回しな文句の1つくらいは言ったかもしれない]
(29) 2016/08/23(Tue) 21時半頃