[不機嫌な表情のせいで陰りがちだが曲がりなりにも元天使、芸能人で通しても問題のない見目をしている。──柘榴色の眼は人の持ちうるものではないにせよ、だ。普通の学生はごまかせるだろう。
が、紛れ込んだ天使の目はそう甘くはあるまい。
とくに高位のいけ好かない奴らは。]
……おまけに犬もいるからなぁ……
[心底面倒くさそうにぼやく。
人間形態をとっているから過去やりあった時ほど牙は鋭くないかもしれないが、ともあれ犬だ。
ふっと肩越しニコラスとハロウィンを振り返り、]
…………そういや、この時間終わったらお前ら授業だろ。遅れんなよ。
俺ももう行く。
[学園のルールくらいは知っている。
程(てい)よく離れる事としよう。
──自分はと言えば、せめて顔を隠せるフード付きの服でも用意するべきだな、と考える。気配を多少なりとも抑えられれば尚いいが]
(29) 2020/01/08(Wed) 20時頃