―酒屋→大通り―
[《さあ!同志よ!我らが列に入らないか…われらの味方に!》
外へ出るなり聞こえてきたのは、そんな威勢のいい声であった(>>22)。
さすがのエネルギーだなどと内心で驚くが、そちらへは一瞥を向けるに留め、誰にも聞こえないように]
……命なんて惜しくもないんだろうな。
[と一つ呟く。まあそれは自分もあまり人のことは言えないのだが、それはさておき。
しばらく眺めていると、官憲が駆けつける頃合いを察したのか、彼はその場から脱兎のごとく逃げ出していた。
さらに暫くすると官憲も姿を消し………]
………うん?
[風に舞って飛んできたビラを拾い上げる。
革命家が同志を募るためのものであることは一目で分かった。
さて、彼はそのビラをざっと眺めて手早くポケットへしまい、しばし思案する。
小説をよりリアルにするために、革命家の肌に触れる、良いチャンスなのではあるまいか。しかし、それは自分が革命を画策する者であると疑われることも意味する。どうしたものか。
考えている彼のそばには、もしかしたら貴族の娘(>>13)の姿もあるかもしれない**]
(29) 2014/09/02(Tue) 22時頃