[そんな在り方に変化が齎されたのは、とある煌星の退魔師と出くわした時。
制御の覚束ない闇星が、ほんの小さな切欠で弾けて暴れて。
闇と影に呑まれた果て、人とも妖ともつかぬ鬼へと変貌した。
その勢いのまま、文字通り煌星を喰らおうとしたのを押し止めたのは、殺さないでと訴えかける、声。
か細いそれは、微かに残る記憶を揺り動かし── 一瞬だけ、我に返った。
そこに師の放った一撃が叩き込まれ……そして、始まったのは大立ち回り。
それまで抱えていたものをぶつけるが如く食らいついたこちらの攻撃は、何故か、悉く師を捉えていた]
(今、思えば。
受け止めてくれてたー、て事なんやろなあ)
[言葉で表せなかった諸々や、持て余していた激情。
それらを全て受け止めて。
その上で放たれた鋭い一撃に崩れた所に投げられたのは、端的な問い]
(28) tasuku 2015/02/18(Wed) 22時頃