[口汚い言葉で白百合仮面を応援する言葉が、背後のモニタ越しに聞こえてくる。ブラックの仮面はヒタと白い男の顔に向けられたままだ。だが。]
あの仔?
[どっかで見たことがある気がする、それを聞いてブラックはゆっくりと後ろのモニタを振り返った。画面に今、大写しになっているのはウルフグリーン、羽沢譲司その子だった]
譲司。羽沢譲司だ。
てめえ、あの顔に見覚えがあるのか?
[それは譲司が羽沢教授の顔に似ているからではないのか。
羽沢夫人の顔に瓜二つだからではないのか。
白いグラブの中で、ブラックの拳がぎちぎちと音を立てて硬くなる]
覚えているのか!?6年前!
お前が殺した女の顔を!
[黒いオーラと青白い稲光がブラックを取り巻く。重力を溜めたような重さのある動きで、ブラックは握った拳をミケイレーチェスに叩きつけんと飛び退った――……ッ!]
(28) 2011/12/20(Tue) 23時頃