……は、これで── ──終いだ……![そうして噛み砕いた──正確には噛み砕かされた殻を吐き捨て、そのまま次こそ仕留めようと噛みつくようにして余四朗の首へと大顎を伸ばしたその時。気づかぬうちに再び生えた余四朗の尾が、肩を刺した] ぐっ──……![やれるとどこかで慢心して受けた痛みは、置壱の体勢を崩させるには充分。短く呻き、余四朗の目前でその痩躯をうずくまるようにして崩した。余四朗の好機となることを理解しながらも、暫くは体勢を持ち直すことは出来ないだろう。じわりと、片口から滲む血が衣に染みを作り始めていた]
(28) 2015/07/09(Thu) 23時頃