[その背景を話したことはないが、手作りの味には餓えていた。
だからおかずを取って見つめられてもウィンクで誤魔化して。
仁科から奪っただし巻き卵を食べ、口では悪くないとあっさりとした感想を告げていたが表情は満面の笑み。
卵焼きが仁科の親ではなく本人の手作り>>25とは知らず、素朴な味に舌鼓を打っていると困惑したような反応に首を傾げる。]
……良いのか?
[口許へと差し出された黄色の塊を、ぱちりと目を瞬かせ、左右で色の異なる瞳で見つめた。疑問形を取りつつも食べないという選択肢はなく、箸に摘ままれた卵を一口で口の中に誘う。
ちら、と彩鮮やかな弁当を物欲しそうに眺め、]
単純な味付けだからこそ、美味さが良く分かる。
手間も掛かっているのだろう。分けてくれてありがとう。
[また貰えるだろうかという悪知恵の元、しおらしくそう言い、仁科の机に肘を突く。思惑通り事が運べば口を開いておかずを食べ、躱されれば唇を尖らせただろう。
満腹度が増しても飽戸のタコカニウインナー>>0:168は奪い取ろうとするのだけは止めない。*]
(28) 2014/10/02(Thu) 17時頃