―庭園―
うわああああああああなんだこれはあああぁぁああぁぁああぁあ!!!
[この屋敷の敷地内全体に響く…と書くと些か誇大表現だが、そのくらいの大声を張り上げる男が一人。
彼が今立っているのは、屋敷をぐるっと囲む大きな庭のとある一角。彼はこの屋敷の主、ゼルダに気に入られた専属の庭師であり、毎日この広大な庭の手入れをしていた。流石に一人では管理仕切れないので、他の使用人に手伝って貰うこともあるらしい。
そんな彼が叫んでいた理由は目の前にある―ひとつの倒れた盆栽にあった。
上記の通り彼はゼルダに気に入られていた。なので、庭の一角を自由に使って良いと言われ、日々の仕事の褒美として与えられた。そこには趣味の盆栽だの、家庭菜園だのを好きに作っていた。
盆栽とか渋い、じじくさ!と言われた事は数度あるが、好きなんだから良いだろう!お前もやってみろ、ハマるからと毎回返していたのは別の話。
そして今日、その愛する盆栽たちの一つが倒れていたのを発見した、という訳だ。
嗚呼、一体何故倒れてしまったんだ…俺の愛するエレーヌ!(盆栽の名前)]
(28) 2013/12/07(Sat) 09時半頃