――ッ!?
……危ないじゃあないか!
[そんな事を考えて居たからかどうかはわからないが、目の前が僅かに光ったと思えば其処に現れたのは一本のメス。
現れたメスは重力に従い下へ下へと――男の足の甲へと、ご丁寧にも刃先が下を向いた状態で落ちて行ってくれたものだから、男は慌てて足を一歩引かされる。
――カラン。
乾いた音を立てた地面に転がったメスを見て、しかし男の顔に浮かぶのは歓喜では無く――困惑。
まさか本当に現れるとは、という思いと、これならまだ拳銃の方が欲しかった、と言う憤りと。
しかしこんな物でも無いよりはマシか、と。
落ちたメスを拾い上げ、カードの収まる胸ポケットへと入れ――この先、自分を切らないように気を付けねばと思いつつ――そろそろ休憩も終えようか、と2か、或いは2のある辺りへと、また歩き出す。]**
(27) 2015/06/22(Mon) 14時頃