>>21
[ベネットの咄嗟の表情に目を配る。
どうやら何かを隠しているらしいということは容易に推測された。そして、それが自分に知られてはならぬものだということも、なんとなく濃厚に想像がつく。]
ドナルド様は、こちらにいらした時は、ワインをお持ちではありませんでしたけれど。
ああ……それは城にあったコレクションじゃないですか。
[呆れたように溜息をつく。]
まあいいです。
私に権限があるかどうかとはともかくとしても、返せとは言いませんよ。そこまでケチではありませんから。
それとも、グラスでもお持ちいたしましょうか?「景気づけ」がてらに。
[部屋をぐるりと一周見渡し、緩やかな笑みを浮かべる。だがその脳裏には、]
(さしずめ、ワインは「贄」、か。
何か見られたらまずいものを隠している可能性が濃厚、といったところか。)
[疑惑が確信めいたものに変わる。]
(26) 2010/06/24(Thu) 00時頃