――……ッ、
[間に合うか、否か。正直な所絶望すらも覚えはしたけれど、どうやら吐き出した煙は思いの外優秀ではあったようで。
口から出てからの3秒間、まるで粘り気のある水のように剣の刀身を絡め取ったのならば、その勢いの大半を削いではくれた。
それでもやはり、唐突の事。しかも此方はこう言った事に関してはど素人も同然だ。
回転を付けた剣の速度と勢いは、完全に殺しきれる訳も無く。それに気付いた時にはもう、遅い。何とか身を引いて避けようとするも、刀身の先は男の肩口を浅く掠めていく。]
……、成る程本気か。痛いじゃあないか。
[掠めた剣は、地に落ちはしただろうか。或いは、彼がまた"何か"をしたかもしれない。
しかし何方にせよ、男には彼の力の全てを知る事も出来なければ、"彼が上空へと待機させたものにも未だ気付きはしない"。]
(24) 2015/06/24(Wed) 13時頃