―広場にて―
[最後の1人(>>0)と職員らしき女性(>>#0)が現れた時は、それからどれくらい経ってからだったか。まだ、咥内の甘い余韻を楽しみながら、フィリップと他愛もない会話を続けていた時だったかもしれない。
フィリップに促されて席に着くと、何やら説明が始まった。
青山と名乗る主任の説明に、うんうんと頷きながら話を聞く。
――『拒食症』。
良く透き通る声で、その単語が紡がれた時。
グレッグの体と瞳が瞬間揺れて。それから奇妙に強張ったことに、気が付いた者はいただろうか。
先程までの溌剌はどこへやら。それから新薬を持つ青山に声を掛けられるまで。能面様に一点を見つめて。
青山の声掛けに、ハッと我に返るとぎこちなく笑う。電波障害対策として携帯電話等の回収を改めて告げられると、頭を掻いて。]
あ、ああ…携帯、ね。
俺、そういうの持ってないんスよ。
連絡とかは、自宅に母と姉が居るんで。
そっちに、お願い してて…
(24) 2015/08/24(Mon) 18時頃