[振り向きざま、顔に迫ってくる拳。日々鍛錬された。それから逃れるすべを村人が持ち合わせているわけもなく……。彼は眉一つ動かさなかった。ただ滑らかな動きで上半身が後ろへと傾く。仮に当たったとしても瞳への致命的な損傷は避けられる位置に。方向が変わり、爪が掠めた数本の髪が切れてぱらりと土に舞い散る]あ―…悪い方は僕だな。ごめん。[出会った時の印象は真面目そうな…いや、融通の利かない硬さと言うべきか?そんなものを感じ、幾度か顔を合わせようとも深入りをしようとしなかったのだ。村の活気に酔ったか、ベネットへの行いに親しみを感じたか。戯れに手を伸ばした先で、井戸の底を覗きこんでしまったようだ]
(24) 2013/08/31(Sat) 01時半頃