[ヤニクはパビリオンに眠る記憶に呼びかけると、それらを活性化させ、『蟻』達に対しての抗体を作る。
星々の叡智の殿堂《セラエノ・パビリオン》が淡く発光し、翅蟻達の侵攻が緩やかになった]
我慢しろミスティア。キミには直接は関係ない。
せいぜい…そうだな、黒板を引っかいたような不快感が常にあるくらいだろう?
―――うぅー…ソレ…結構嫌なんだけど…。
辛抱だ。
こいつらを全て消すのは簡単だが、どうせイタズラッ子がまた散らかす。
[内の『記憶』に声をかけながら、眼前の獣を見据えた]
…そういうわけだ、ベースティア…。
何のつもりでこんなイタズラをしでかしたかは知らないが、いくらやったところで、せいぜい誰かさんの不快感が長引く程度だ。
[尤も、『セカイ』から独立しているヤニクはその程度で済んでも、『セカイ』そのものはそうではない。
『セカイ』の記憶が食われることは、すなわち、現在ある『セカイ』の礎を崩すこと。
『セカイ』の記憶が侵されれば、その分セレ・ラフィナの崩壊は早まってしまうだろう]
(22) 2011/06/13(Mon) 20時半頃