─幼少の話。鈴むんと─
鈴ー。ね、鈴ー。
[まだ幼さを残す声が、幼馴染みの名を呼ぶ。
赤ん坊のころから呼んでた、すーちゃんという子供っぽい呼び名を改めたばかりのころだ。
年のわりに小さい身体をよちよちと動かして、お気に入りのクッションの上から同い年より少し上の彼の前へたどり着く。
仔猫の一週間差は大きい。相手は少しお兄ちゃんに見える]
ね。鈴はいつも夜にどこに行ってるんだい?
[そんなお兄ちゃんな彼の夜遊びが気になって仕方なかった黒ちびは、真ん丸な目をきらきらさせて訊ねた。
自慰さえ覚えてるのか怪しい年頃は、好奇心でいっぱいだ]
僕もついていっちゃ、だめかなあ……?
[ねえねえ、と前肢でてちてちと彼の手に触れて。
おねだり顔で、くりんと小首を傾いだ。
ちなみに、この時代の媚媚な自分の態度を思い返すと、オスカーはものすごい顔になる(という方向で、キャサリンちゃんはオスカーが不意にしかめっ面をする癖があるのを解釈している)*]
(22) kaisanbutu 2014/08/01(Fri) 01時頃