[包帯を巻いてくれたユンは、今日は水で濡らすなと言っていた。風呂に入るとしても軽く汗を流す程度しか無理だろう。だから、後湯でも構わない][望遠鏡を柔らかい布で包み、手伝いの者に自分の部屋に運ぶように頼んだ。そうして、広いリビングの椅子で、そっと本を開く][人狼……。彼らは岩を持ち上げるようなとてつもない腕力を持ち、千里を一晩で駆け、人間には聞こえない遠吠えで仲間と連絡を取り、人間に混じって村の中で暮らすこともあるという]何十年も前に近くの村に現れたらしい。さらっと書いてあるだけで、その後何がどうなったのか全く記録に残っていないけど……。なんとか彼らと仲良くなれないかなあ。[ひとり、呟いて]
(22) 2013/08/31(Sat) 01時半頃