――教室――[教室の一番後ろの席。ラッキーマンだけがそこに座る権利を得られる特等席で、小さく舌打ちをした。 すぐ横では夏休みにどこに行っただの夏期講習がどうだっただの話しているようだったが、片方をイヤホンに取られているこの耳では半分も聞こえない。何なら、聞く気もたいしてない。だって興味ない。 興味あるのは、音楽プレーヤーの奏でる音と、そのクオリティ。 夏休みは、溶けるように消えていった。 満足行く音は、想像したほどはいくつも産み出せなかった。]
(22) 2018/09/06(Thu) 23時半頃