>>14続き
[神父は自分の体調を気遣ってか、先に休むように勧めてくる。
あなたが一休みした後で伺いましょう、と眠るための部屋を宛てがってくれた。
神父の気遣いはありがたく、言葉に従ってベッドに入る。
今や身体の中も外も温かく、墓地で眠っていた頃よりも格段に良い環境のはず…だった。
にも関わらず、胸を塞ぐ思いが強くて寝付けない]
……。
[何度か寝返りを打った後で寝床を抜け、部屋からそっと出る。
薄暗い廊下を往き、懺悔室を目指す。
扉を開けて中を伺うと、格子をはめた対面の部屋から人の気配がした。
そこは神父が座る席、…今、そこに神父が居るなら好都合だ。
部屋に入ると、壁に掛けられたチェーンを取って首にクロスを掛ける。
胸の前に両手を組み、頭を深く垂れると、自らの名を名乗る。その後で罪の告白を始めた]
僕は数日前、……人を殺しました。
彼の名は、アーサー・ゴドウィン。近所の酒場の主人でした。
(21) 2011/11/25(Fri) 00時半頃