-昨日:埃舞うなかで-
ハイ。そこは現在進行形にキッチリ直して下さい。
そうですか。わー、ミナカタ先生の演技力に拍手。
[>>7 抑圧された箱庭。演技上手の役者でないと、舞台から簡単に降ろされる。台本に書かれた通りの言葉を吐かないと、幕は降ろされる。本当の気持ちなんて、この小さな町では。何ひとつ言えない。
それをこのくそ野郎は。簡単にぶち壊してくれる。
町に帰ってきてもなお、迂遠してきた言葉を。
いとも簡単にぶつけてくる。]
えー、苦いのか?角砂糖六個分だぞ。
んじゃ、甘くしやがれ。
ん、―――……
[それは、恨みなのか怒りなのか。力任せに押し付ける舌を受け止めきれずに、唾液が首筋を伝う。無理矢理、後ろ髪を引かれて、小さな声が漏れる。
唾液とともに鉄の味を飲み干す。強請るように後ろに回した己の腕は、僅かに震えていた。*]
(21) 2014/12/06(Sat) 01時頃