私なら、やめないなあ…。
[――するりと、その腕を絡ませました。答えは曖昧に、然し否定は促さずに。学生は、ふふんと勝気に鼻を鳴らし、そうして顔を前へと向けたのです。透明が所々視界を飾る中、ただ腕を絡ませれば機嫌良く口許を弛め、足取り軽やかに。荷物が無ければ、またくるりとダンスを練習して見せることだってあったでしょう。
やがて見えて来たらしい彼の家を探すように数度周囲を見渡したなら、案内されたその家前にて窺うようにその家を見上げ。中に足を入れると同時に挨拶言葉を呟きます。]
…お、お邪魔します。
[先刻友達の家へ行ったとは云え、まだ慣れない他者の家へ踏み込む感覚に、引き気味になり得ながら声を響かせ。風呂に浸かるか否かと聞かれれば>>387、確かにべた付きや雨の香は気になるけれど、と、遠慮の言葉を飾りました。 そこまでして貰うのは、悪いから。学生はぽつり、淋しいとさえ感じられる空間を見据えながら、言葉を吐くのです。]
(21) 2014/10/07(Tue) 03時頃