【若し、なれば >>18】[返る声無き呟きに一つ女の声が返るならばの話。其れは足止め振り返り、女の方へと眸を向けた。] 見たなら此方の犯した罪も知ろう。 この町にはもう居られない。 逃げるさ、遠くに。[行き先は未だ無い。女の澄んだ声を耳に、少し側へと寄ってみせた。] 身体、佳くなったのなら早く戻れ。 振り返してまた熱を出すぞ。[日常変わり無い話し方、人を喰らう狼だとは見えもしない人くささ。憂いて翠に告げたなら緩りと背を向け丘を往こうと。]
(19) anbito 2011/01/08(Sat) 01時頃