「鼠は何がしたかったのか最後まで分からなかったな」溜息をつき肩を落としながら陸区へ帰ろうと歩み始めた。墓と墓の間を抜けていくと見覚えのある花が落ちており思わず歩みを止めた。辺りを見渡すと母の墓に供えられていた花と同じものが供えられている墓を見つけた。墓石には母の簪と同じ図柄刻まれ、足元には手ぬぐいが置かれていた。「これは家紋...何故母の簪にも同じものが・・・」不安と同時に高揚感が押し寄せてくる。思考を巡らすよりも先に足元に置かれた手ぬぐいにゆっくりと手を触れる。―『頼んだぞ』―自身のものとは違う記憶が入り込んでくる。
(19) purupuru 2015/01/29(Thu) 13時頃
sol・la
ななころび
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