[最初に台所へ現れたのは、日向だった。>>@1
千秋は、自分でもはっきり分かるくらいにぎこちない口調で、日向を迎えた。]
あ、いらっしゃい。カレー、できてるよ。希望したとおりのおいしさだったら、良いんだけど。
ええと……大盛りにもできますけど。
[最後に余計なひと言をつけたして、千秋は日向のためにカレーをよそった。もちろん、大盛りでと言われれば、そう対応しただろう。
千秋がカレーをよそう隣で、器用に林檎の皮を剥く日向に気づき、少しだけ驚いた。明らかに、千秋などより手馴れている。
実のところ、この少女が作った方がおいしいご飯が出来たのではないだろうか、という思いが頭をよぎる。]
……希望したとおりのおいしさだったら、良いんだけど。
[結局、同じ言葉をもう一度、より真剣味を増した口調で繰り返した。]
(18) busoa 2015/02/09(Mon) 20時頃