……へっきしゅ!
[ひとつ、大きなくしゃみをして寒さを思い出す。
既に夜は深い。建物の明かりと漂うクリスマスソングが一層存在感を増す。
>>1:45道の反対側に、同じくくしゃみをしている男の人が見えた。
ああごめんなさい。パクったわけじゃないんですこの鼻が勝手にむずむずしてごめんなさいごめんなさい……。
どうかこちらに目をつけませんようにと震えて祈りつつ。
ああ、今のあたしはマッチすらないマッチ売りの少女かな。
このまま凍えて天に召されるのだろうか。やるせない。
寒さを凌ぐために飛び込んだコンビニも、得体の知れない店員さんとお客さんに見られているような気がして落ち着かなくて。
逃げるようにあっちこっちに場所を移り続けている。
人の気配の集中する街から離れるように、
自然と自然と、静かそうな開けた場所へと——公園のある方向へ、向かう。**]
(17) 2016/12/21(Wed) 06時頃