【人】 執事見習い ロビン

[本当は、何か、和やかに話すように相槌を打ちながら
　テオが言う興味の端をききたかった。
　蜻蛉の時は、本当大変だったんだぞ、とか怒ったり
　かわいいけど、近づくと、逃げられた……と、しょんぼりしたり
　けど、泣かないようにするのが精一杯で
　シーツをかぶったまま、頷くのが精一杯で。]

　うん………帰ってきて。俺も、帰ってくるから……
　一緒にいたいから。一緒に、いるから。
　…………一緒に……

[テオのほうで寝台がきしむ音がする。
　不安な心は、テオが立ち去ろうとしているように聞こえて
　俺は、一緒にいてほしくて、慌てて顔を上げる。
　少し、ずれたシーツの向こう側に
　テオが近づくのが見えて。
　俺は、身を起こして腕を伸ばす。
　シーツがずれてで泣きそうな顔が見えているのも気がつかないまま]

(15) うに 2011/08/30(Tue) 23時頃