[……思うままに不安を口にして、はっと我にかえる。いけない、子供の前で煽るような真似をしてどうするんだ。子供と呼ぶには彼も大人びているかもしれないけれど、それでもまだ、こどもなのだ]
……なんてことはないよね!うん、だって出られた人が居るんだもの、きっとみんなで出る方法だってあるよ!
[先ほどおもんに見せた泣き顔は何処へやら、へらりと笑って前向きな言葉を。子供は愛されるべきで守られるべきなのだから。……ここに取材に来たのだって、悲劇を喜劇に変える話が描きたかったからだ。それを忘れてどうする?]
……あ、お水ならさっき……どっちだっけな、向こうの方から水の音がしたよ。チョーズシャ……だっけ、あるんじゃない?
[まさか飲みかけのペットボトルを渡すわけにもいくまい。先ほどまでいた暗がりから、音の聞こえた方向を考えてそちらに指を向けた。彼が向かうならついでにボトルの水を入れ替えたいな、なんて考えて]*
(14) 2016/11/19(Sat) 01時頃