―調理室―
[ひんやりとした調理室に辿り着けばぱちりと暖房をつける。
もう少しすればお茶淹れにきっとフローラも来るのだろう。
テキパキと冷蔵が必要な材料を冷蔵庫に収めながら、ついでに自分の荷物から綺麗に包まれた一本のパウンドケーキを取り出し、適当なところに置いておく。
懇親会に姉からの差し入れとして何度か菓子を持っていったことがあるが、実は自分の手作りだとは口が裂けても言えない。
いや、普通にこんななりで菓子作りが趣味とかキモいだろ?
そういうことで姉の名義を借りているのだ。
――姉と親しい部員なら真実を知っている者がいたりするかもしれないが、そんな恐ろしいことは考えたくもない]
これは夕食後にでも出すとし、て……
一応食器類洗っとくか。
[まだ重そうなクーラーボックスとかあったなと思い出しもしたが、戻るのも面倒になったのでそのまま調理室の棚から食器やカトラリーを取り出し、水洗いをし始めた**]
(14) 2020/12/26(Sat) 02時半頃