ービル内エレベーター前ー
>>12イアン
[汗を拭き拭き、ハンカチを仕舞う。
背負った小振りなリュックからボトルを取り出しグビグビと呷った。
そこに後方から掛けられた声。僅かに肩が揺れたがボトルの蓋を閉めて振り返る]
あっ、あっああ、そうですが……。
貴方もですか、いやあ百万貰えると聞きましてねえ、へへ、ちょいと入用で。
貴方は?貴方も、百万欲しくて?
[若い彼は矢張り金目当てだろうか、そう思いながらもへらへら笑うのはもうある種の処世術だ。
チーン、エレベーターの訪れを知らせるベルが鳴り扉が開く。
上向き矢印のボタンを押したまま扉の横に立ち相手を先に入れようと促した]
ええと、私はさ………
[挨拶序でに名乗ろうとし、はたと自分の首に下げられた名札を確認した]
ヨアヒム、らしいです、はい。
[相手がエレベーター内に入れば自分も入り、そのまま上階へと目指すだろう]
(14) 2015/08/22(Sat) 12時半頃