――前日・大通り――
はぁっ…はぁ……、……
[上がった呼吸を整え、きょろきょろと辺りを見渡す。男たちはもう追ってこないようだ。大分走っていたが、後ろを確認する余裕はなかったので、いつ男たちを撒いたのかは分からなかった]
…えっ、と…ここは…、昨日の大通り、かな?
[昨日キャリーと踊った場所だ。あの時は、まさかこんなことになるとは思はなかった]
(なんだっけ。人が…殺されて。犯人は首無騎士で。首無騎士っていうのは化け物で。余所者が犯人だから、余所者の中に化け物がいて…
それで…犯人を捕まえるために、怪しい余所者を処刑する…)
[疲れた頭で先ほど聞いた情報を整理する。初めは推理小説のようでわくわくしたが、今はそうもいかない。
男たちは「こいつが首無騎士だ」と少年を指さす。狂ったように罵声を浴びせる]
(ボクが怪しいだって?
ボクからしたら、あいつらの方が怪しいよ!!)
[もうあそこには近づかないでおこうと誓う少年であったが、これから毎晩そこに集まり不毛な投票することになるとはまだ知らない]
(12) 2013/08/31(Sat) 06時頃