[まだ大人になって間もない猫は、自分で思う最大級の可愛いポーズをもって、ご主人の手がお腹を撫でるのを待っていた。
いつもほんの少しだけつんとしたインクの匂いのする、でも優しくて気持ちいい手のひら。
しかしやって来たのは――]
ふぎゃ!
[大きな影のせいでゆらり瞼の裏に暗闇が増したかと思うと、お腹にふにふにとした感触が触れた。
9kgの巨体、しかし気づくのが早かったからだろう。特に重いとは感じなかった。
しかしびっくりしたのは事実で、軽く膨らんだ尻尾をばしんと床に叩きつける。
鈴の割れたような声が喉から溢れた。]
にゃに……オレくん?
[閉じていた瞼を開けば、夏でもふさふさの毛を持ったオレ>>11の姿があった。
びっくりしてアーモンド形の目をぱちくりさせるも、続くお腹への刺激に耳がぴくりと動く。]
にゃはは、くすぐったいよー。
[薄い筋肉を奥に隠したお腹が震え、伸ばした二本の前足で彼の前足にてしてしとじゃれついた**]
(12) 2014/07/22(Tue) 17時頃