人狼議事

154 屍鬼村5〜村は死によって包囲されている〜


【人】 厭世家 サイモン

[この村では土葬の風習が根強く残っている。
 それに伴って、ある言い伝えも未だ途切れず語り継がれている。起き上がり。死者が墓から蘇り、生者を引いていく。流石に今では事実とはされないその話は、しかし此処で育った者の意識には、深く染み込んでいるのだろうと思う。
 子供を怖がらせて躾けるのにはまず間違いなくこの話が使われるし、家族や親しい間で死人が続けば、誰が引いているのだと表される事がある。
 丁度今などは、よく引かれる夏だ、と言えるだろう]

【 待ち居たのは、死者だった。
  死者ならざる死者。生者ならざる生者。
  虚ろに私を見つめてくる、それは墓より蘇りし者――

  ――屍鬼だ。】

[頭に文章の断片が過ぎる。それは、己が書いたものだった。男は住職である傍ら、小説家でもあった。寡作で無名だが、固定読者も存在している。一度、村について紹介するエッセイなどを書いた事もあった。
 その副業について、偏見を持つ者も村には存在する。元々が陰鬱な容貌であり、性格も穏やかだが快活とは言い難い、内向的な男の事だ。檀家でない村人の中には、そのような者もいる――いても仕方がない事だと、男は割り切っていたが」

(12) 2013/12/03(Tue) 11時半頃

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