――回想・大通り付近→図書館――[ 己の視線につられるように鳶色が覗くのを、瞬間しっかりと捕える。――珍しい色だな、と感想は心の隅に置いて。ゆるりと小さく綻ぶ表情に、こちらも薄笑いに僅かに色を滲ませれば、>>0:398零された言葉に。] ――近いんだ。[ 緩く弧を描いた口元から短い声が落ちる。自分でも意識していなかったそれに、一瞬表情を硬くしては唇を結んだ。それでも前に立つ相手と視線が交わったなら、ただもう一度薄い笑みを浮かべるだろう。告げた目的地に小さな音がマフラーから漏れたのには、ただ首を傾げたまま。“最後まで届けてあげる”と言われれば素直に頷いて礼を告げた。――斜に見る鳶色が細まった理由には見当もつかなかったが、柔い声色で自身の名を呼ばれるのにはただ、口角を緩ませる。]
(10) 2014/10/03(Fri) 02時頃
sol・la
ななころび
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