― ジェレミーとミイユの個室 ―
[とんとん。軽く扉をノックすれば間があってからかジェレミーが顔を出しただろうか。]
こんにちはジェレミーさん。
立候補して、僕も船に乗ることにしたんだ。
ヴェラさんっていう飴作りが得意な妖精さんがこれをジェレミーさんに渡して欲しいって言ってたから届けに来たよ。
これを舐めて家族の一時を思い出して、だって。
[そう説明すると大きな箱を手渡そうと。重いから気を付けてねと一言添えてやった。
ちらちらと隣にいるヤニクを気にした様子があれば簡単に説明をしようと口を開いたか。]
この人はヤニクさんと言って旅人さんなんだ。
素敵な夢を見せてくれる妖精さんだよ。
[優しくて、格好良いのに可愛くて。もしかしたら寂しがり屋の自分より寂しがり屋なのか、どうにも放っておけない大切な人。
それは自分だけの秘密にしておこう。]
(9) 鯖 2014/05/21(Wed) 15時頃