――名前なんてものにこだわるのかい?[少し翼を雨粒により濡らした小鳥が彼女の元>>5へと飛び立てば男は首を傾げる。] お利口にしていれば、何か貰えるらしいからね。[和らいだような声色に対して、先の黒鹿とのやり取りを思い出して、差し出された一枚の頼りに目を通す。] ――僕が素敵な人だって? …ありがとう![綴られたそれが相手の連絡先だと知ると男は彼女が以前呟いた言葉を遣う。茶化すような巫山戯た言葉。けれども一枚の紙面をポケットに入れる仕草はやんわりとしたもの。そして小鳥を連れて遊ぶ彼女の目線に合わようと軽く膝を折る。]
(9) 2014/10/07(Tue) 02時頃