ん、ん……っ[寝台から起き上がり、伸びをする。呑気な欠伸をしながら周囲を見渡し、齢より幼い仕草で首を傾げる。全て思い出すのは、数秒後のこと。久しぶりに夢を見た。少々変わった、誰かに言えば笑われてしまいそうな夢。しかし、歌い鳥とは、まあ。見事に願望を反映したものだと思う。今でも行きたいのだろう。どこか遠くに、そこで、歌いたいのだろう。…現実は街へ出て生活する為の充分な金銭も得られず、たまに酒場の小さなステージで歌う女の人を遠くから眺めるだけなのに。]
(9) 2016/11/14(Mon) 00時半頃