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[ミイユは首を振ることさえもせず、ふいと背を向けた。
腰掛がないのなら、床に座ればいいし。
外でうさぎの尻尾にでも寄りかからせてもらえばいい。
あの子供や紐を渡していた女性たちと、自分が同じだと思ってほしくない。
文字の書かれた葉を火種に火を起こす。
小さな鍋のようなものは動物たちが拾ってきたもの。
人間の子供が使っていたおもちゃらしい。
十分貴重な家財道具のひとつである。
プンマロラの実を裏ごしして。
ハーブと、小さくきった野菜を一緒に鍋にかける。
十分火が通るまでまだ煮詰めなくてはいけないから。
その間に、ハーブティを用意することにした。
森で採れた葉で出来た、自家製のものだ。
ミイユ自身は美味しいと思って飲んでいるが。
料理にしろお茶にしろ、誰かに振舞うのは生まれて初めてだということに気がついて。]
(9) 2014/05/13(Tue) 04時頃