把握している自由主義者どものリストを。
帰宅後に読むので、用意して下さい。
[口を濯ぎ、香料を噛んだところで、ふと思いついたように言葉を継いだ。]
そうだ、警察長官に大聖堂と大学が略奪に会うかも知れないと、忠告しておくように。
あそこは貴重な文化財も多いし、教会は民衆の心の拠りどころでもある。
あまり被害の出ないうちに阻止できるように、良いタイミングで突入できるように計らってやりなさい。
それと、河畔の救貧配給用の食糧倉庫も襲撃されるだろうが、そちらは軍隊でないと無理だろう。
危ないから、こちらは関与せず、成り行きに任せなさい。
そうそう、名の知られた文士に略奪の様子を記録させ、後で新聞に掲載させたり、本にするのも良いかも知れない。
民衆の大半は文字など読めないだろうが、市民階級からは、労働者や農奴へのセンチメンタルな共感は消滅するだろう。
もし、適当な人材に心当たりがあるようなら、接触してみなさい。
自発的に書きたくなるように、必要ならば支援を。
[そこで口を閉じ、召使たちが髪を整え、衣服の最終チェックを終えるのを待った。**]
(5) 2014/09/05(Fri) 16時半頃