[ 老婆の焼いたクッキーは、いくつかある紙袋へ。
4,5個ほど入ったクッキーの袋。大体6,7袋くらい。
それを詰めたら、手提げバスケットに入れる。
出かける前に、やらなきゃならないことは、もう一つ。
窓際の植木鉢に、水を与えること。
山に流れる、1ヶ月に2度汲む小川の水。
それが、大きく開くピンクの花の栄養になっていた。
バケツに溜まっている水を、柄杓で少しずつ花に与える。
随分と、慣れた手つきで水をあげていた。
ふと、その隣にあるインテリアが目に入る。
紫水晶の原石。 紫に白が混じる置物。ただし、
只の置物ではなく、これは不思議な力があり、
時折老婆もこの紫水晶と心を通わせている。
人だけでなく、石にも魔術は宿る。
老婆は、それをよく知っていた。 ]
(5) 2018/08/02(Thu) 16時半頃