[私たちは、まだ若くて。ほんの少し前まで、未来を疑ってなかった。
それがこんなあっさり断たれてしまうのは、やっぱりとても不本意で、悲しくて、悔しい。
だけどその割に、今心は穏やかで。
悲しいけど、切ないけど、諦めのように現実を受け入れていて。
こうやって静かに終わりを待っていられる。それは隣りにいるクラリッサのお陰だって思う。
だって私、ひとりで死ぬのは怖いから]
あー、笑ったなー?
人が珍しく真面目に話してるっていうのにー。
[そんな私の声にも、少し笑みが混じっていて。
視線は空に向けたまま、だからクラリッサがどんな顔をしているのかは分からなかったけど]
ほんとだよー。
いい友達でしょー? 感謝してよねー。
[軽い口調でそんなことを言う。
怖いけど、死にたくないけど。それでもそんな風にしていられるのはクラリッサのお陰だけど。
私からはそんなこと、言ってやらない。
ふふ、と小さく笑いながら、羽織ったままの上着から香る、煙草の匂いを確かめて**]
(4) takicchi 2012/07/22(Sun) 09時半頃