「どうだい様子は!」
[祖母はずっと、リビングで待っていたらしい。バッと顔を上げると、彼女をソファーに寝かせる青年の元に駆け寄ってきた。
うまくいったはずなんだけど、まだ目覚めない。
そう伝えたくて、モゴモゴと口を動かしてみたけれど、やっぱりガーゼが邪魔だった。
祖母はそんな青年の姿を見て、ぼろぼろ涙を流した。]
(泣かないで、ばっちゃん。俺、後悔はしてないんだよ。
むしろ、ここまで薬師として、魔女として
育ててくれて、ありがとう。)
[ちゃんと伝えたかったけど、今は無理そうだから。
だから今は、そっとその身体を抱き締めるだけにしておいた。伝えたいことは、手紙にでも認めよう。
ひとしきり泣いたら、祖母はおいでと手を引いて。
工房で傷口を縫ってくれた。
これがまた激痛で、何度も意識を飛ばしかけたが、なんとか手術は無事に終わったらしい。**]
(2) 2015/04/24(Fri) 01時半頃