―屋上―
[クラリッサと並んで座って、その時を待つ。
カメラを空に向けているクラリッサ。あたしも黙って空を見ていた。
最後の時が、近づいてくる]
ねー。クラリッサー。
[空を見上げたまま、なんでもない口調で言った。いつもと変わらない、世間話でもするような口調で]
あたしさー、こんなことになってさー、
まだまだいろんなやりたいこともあったし、不本意だけどさー……
[何で人間って上を見てると口開けちゃうのかな。そんなどうでもいいことを考えながら]
クラリッサと友達でさー、けっこー楽しかったよ。
こんな風に終わるのは不本意だけど……そう悪くない人生だったって、思うなー……。
[別に返事は期待してない。だからこれは独り言みたいなもの。
視線は空へと向けたまま、クラリッサの作品が完成する、その瞬間を待っている**]
(1) takicchi 2012/07/22(Sun) 03時頃