叔母さんは、教会の方から出れなくて泊まるって言ってたし…
朝ごはん、手伝った方がいいかな。
[食堂が賑わうのは良いことだけれど、この状況は話が別だ。
絨毯に足を下ろしてみると、まだもんやりとはするものの、目眩は収まっている。ベッドサイドの眼鏡をかけて、カーディガンを羽織る。
ぎし。ぎし。
床の軋みが、妙に響く。外はまだ豪雪が続いているようだ。音がみんな雪に吸い込まれて、いやに静かな明け方だった。]
……?
パルック叔父さん…?
[階段を降りて続く廊下へ踏み出すと、灯りが漏れているのは寝室ではなく厨房の方だ。
厚い雪雲のせいで未だ暗い中、ぼんやりと間接照明の光。
ぎし。
床がまた軋んで。その先にあるものに、ケイトは首を傾げる。
ちょうど、厨房へ入る手前の廊下のあたり。
はじめは、それがなんなのか分からなかった。寝起きの脳が回転して、状況を把握する、と、同時に菫色の瞳が、限界まで見開かれた。]
(1) 2015/05/27(Wed) 04時頃