[片手に麻縄と空の袋を下げたまま、苛立たしげに頭を掻きつつ。
地面を踏み鳴らしながら宿に戻れば、ふと。
見覚えのある、若い男と女の姿に気づく。
一人は、メルヤ、だったか。酒場で隣に座った。>>0:117
そして、その連れは──、と。>>0:116
愛想よさげに此方に向けられた笑み。
怪訝そうに片眉を上げたが、相手が足早に去ろうとする様子を目にすると、ははん、とでも言いたげに頷く。]
──おう。また会ったな?
[男がそのまま去ろうとしたにしても、そう声を投げて呼び止める素振り。
そのまま行こうとするならば、無理に追うような事は無く。
一応、にこやかな顔を作る。]
よう、メルヤ。あんたも此処に泊まってんのかい?
……で、あれ。あんたの連れか?
[そうメルヤにも問いながら問いかけつつ、あれ、と若い男を指差しながら。]
(1) 2015/08/23(Sun) 01時半頃